僕とクラフトビール

仕事と本と映画、クラフトビールについて書いてます

一緒に住みたかった街

「彼女は元気にしているだろうか?」

 僕はふいに思い出した。

彼女と別れてから、早くも5年の月日が経とうとしている。。

 

今思い返せば、僕と彼女がこうなってしまったのは、必然だったのかもしれない。

大学生活、最後の冬。

僕と彼女が別れることになったあの日が来るまで、僕らはそんなことを考えもしなかった。

 

僕と彼女は、高校生の同級生だった。

仲の良い4人グループの2人。

当時はお互いのことを意識することもなく、カラオケやゲームをするごくありふれた友人関係だった。

 

高校を卒業し、僕と彼女は別々の大学に進んでいった。

入学当初は連絡を取っていたが、次第に連絡はなくなっていった。

 

そして、大学3年の夏。

僕は久しぶりにあの彼女の顔を見た。

 

実はお互い近くに住んでいることも知った。

久しぶりに出会ってからは、早かった。

僕と彼女は付き合うことになった。

 

それから半年、僕は留年した。

入学してからの3年間、真面目に勉強してこなかったツケが回ってきたのだ。

彼女との関係は変わらず良好で、年内までには同棲もスタートしようと話していた。

 

そんな時、彼女のご両親の仕事が海外に決まり、引越すことになった。

彼女は、日本に残りたいと言っていた。

しかし、経済的な理由により、彼女が日本に残ることはできなかった。

 

彼女はどこか遠くの街に行ってしまった。

それからというものの、彼女がどこに行ったのか知ることはなかった。

 

彼女が消えた横浜の夜景

 

「もしあの時、僕にできることがあれば.....!」

学生時代の最後を一緒に住むことができたかもしれない。。。

4年で卒業し、一緒に働くことができたら可能だった...!

 

僕は、自分の経済力のなさに失望した。

在学時代に勤勉に学ぶことも働くこともせず、できたはずの未来を自分で潰してしまった。

自分の不甲斐なさに一晩中、涙を流した。

 

あれから5年...

今は社会人になり、忙しく働いている。

 

学生時代の挫折をバネに、周りの若手達よりも人一倍働いた。

今では、同世代よりも3倍以上稼いでる。

ただし、心は満たされない。

 

僕が住みたかった街は、彼女と一緒に時間を重ねていけただろうあの街だ。

しかし、その街は今はどこにもない。

今日も独り、ビールを飲みながら、都会の空を眺めている。

 

書籍化記念! SUUMOタウン特別お題キャンペーン #住みたい街、住みたかった街

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by リクルート住まいカンパニー